学生の興味をひくには

春から大学教員になり、演習や実習を担当することになりました。

 

これまでの教育経験といっても、

職場で新人教育、中堅向け教育を少し経験したことがある程度です。

 

 

職場での教育は、同じ目的をもって働いている後輩に

先輩として知識や知恵を伝えるという感じでしたので

自分の経験談をもとに、講義内容を構成していました。

 

また、仕事+αの勉強会という形式でしたので

ある程度やる気のある人が多く、関心をもってもらうことには苦労せず、

明日仕事で即使えるコツをちりばめることが求められていました。

 

 

ところが、大学の教育では

大学での学び=主体的に思考し創造する力

を養いつつ、社会に出る準備期間という大きな目的があります。

 

ついこの間まで

先生の講義を聞いてテストで点数を取ることがもっとも重要

とされていた学生たちに

「専門性とは何ぞや」「学問とはなんぞや」を自ら思考したくなるように

また、社会人としてやっていけるだけの知識と技術を身につけていただく。

 

 

漠然とは考えていたことですが

これをいざ実行するとなると、とても難しいわけです。

 

まず学生が「何に興味関心を寄せているのか」「何がわからないのか」が分からない。

なので、こちらが大切と思うことをいくら押し付けても

ツボにはまらなければ、無反応となり、思い描く授業にはならないわけです。

かと思うと、まったく意識していないところで学生のツボを刺激し、

どんどん積極的に主体的に動き出すところもあります。

まだ経験が浅いから仕方ないよとフォローいただきますが、

それでは私の担当した学生に申し訳ない。

なんとか早くこのみぞを埋めていきたいです。

 

次に、学生が今まで考えたこともないような価値観を育てる難しさがあります。

これまで、テストや受験のために勉強を頑張ってきた彼らに

私たちがやっている学問に入門してもらう訳です。

本人たちが関心をもっている分野を強化するのではなく、

意識したことがないような分野の土を耕し、種を植え、芽が出るように育てる

というのが本当に難しい。

これが職場での教育と全く違う点だなと思います。

 

この種まきが、将来的に彼らの人生に影響を与える可能性もあるわけでそう思うと、指導に熱をおび、なんとかわかってもらおうと奮闘するわけですが

その熱意だけでは全く通用しません。

 

いかにうまく効率的に彼ら自身が気付けるよう持っていけるのか

このあたりが大学教員の腕の見せ所なんでしょうね。

 

少しずつ教え方、学ばせ方、はぐくみ方を私も学んでいこうと思います。

 

 

 

社会に出て、自立しなきゃと思ったとき

わたし自身も読んで役に立った本です。

「自分で考える力」の授業

 

 

あと、気合入れるときにひらく本

覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰 (Sanctuary books)